NARUTOのネタバレ解説

結末まで書いてあります。内容は2026年9月時点のものです。

作者
岸本斉史
掲載誌
週刊少年ジャンプ(集英社)
連載期間
1999年43号(9月21日発売)〜2014年50号(11月10日発売)。約15年
巻数・話数
全72巻・全700話。ほかに完結後の外伝『七代目火影と緋色の花つ月』(全10話、単行本1巻)がある
完結
2014年11月10日発売の週刊少年ジャンプ50号で完結。第699話と第700話を同時掲載し、最終話は24ページ全編カラー。単行本72巻は2015年2月4日発売
累計部数
全世界累計2億5000万部(NARUTO公式サイトの表記)。完結告知時点の2014年10月では全世界2億部超(国内1億3000万部、海外7500万部以上)
状態
完結

あらすじ

忍の里が並び立つ世界。木ノ葉隠れの里は十数年前に九尾の妖狐に襲われ、四代目火影が自らの命と引き換えに、その妖狐を生まれたばかりの赤子の腹へ封じた。その赤子がうずまきナルトである。両親を知らず、里の大人からは化け物を抱えた子として遠巻きにされ、悪戯で気を引くことしかできない落ちこぼれとして育った。それでも彼は、里の頭である火影になって全員に自分を認めさせる、と言い続ける。忍者アカデミーを卒業したナルトは、一族を皆殺しにされた過去を持つうちはサスケ、成績は良いが実戦を知らない春野サクラ、担当上忍のはたけカカシとともに第七班へ配属される。橋の建設をめぐる波の国での任務、各里の下忍が集まる中忍試験、里を狙う抜け忍・大蛇丸の襲撃。任務のたびに、忍とは何をする者かという問いが形を変えて突きつけられる。ナルトの前に立つ敵の多くは、彼と同じように孤独に育ち、そこで別の答えを選んだ者たちである。力を持つ者が力の使い道をどう決めるか、憎しみを受け取った者がそれを次の誰かへ渡すかどうか。全72巻700話は、その一点を世代をまたいで問い直し続ける物語である。

起承転結

  1. 落ちこぼれと第七班

    1〜13巻(序盤・波の国編・中忍試験編)

    アカデミーを卒業したナルトは、サスケ、サクラとともにカカシ班に入る。最初の本格的な任務である波の国編で、抜け忍・桃地再不斬と、道具として育てられた少年・白に出会う。ここで示されるのは、忍とは雇われて人を殺す職業であり、負けた側には何も残らないという世界の冷たさである。続く中忍試験編では、各里の下忍が集まる試験の形をとりながら、砂隠れの人柱力・我愛羅というナルトの合わせ鏡が置かれる。同じく里に恐れられて育ち、他人を殺すことでしか自分の存在を確かめられなくなった少年である。この段階の話は、修行と試合が続く王道の少年漫画の体裁を保っている。ただし敵役には必ず生い立ちが用意され、勝敗とは別に、その人物がどこで道を選び損ねたかが描かれる書き方が、最初から一貫している。

  2. 里が壊れ、班が割れる

    13〜27巻(木ノ葉崩し編〜サスケ奪還編、第一部完)

    中忍試験の最中、大蛇丸が砂隠れと結んで木ノ葉を襲う。三代目火影は大蛇丸と刺し違えて死に、里は多数の死者を出す。後任として五代目火影に綱手が立ち、ナルトは伝説の三忍のひとり自来也に弟子入りする。一方サスケは、兄うちはイタチとの再会で自分の弱さを突きつけられ、力を与えると囁く大蛇丸のもとへ走る。ナルトたち下忍だけで編成された奪還班は追撃に失敗し、ナルトとサスケは終末の谷で正面から戦って、ナルトが敗れる。第一部はここで終わる。主人公が友を連れ戻せず、仲間を欠いたまま里を出て修行に向かうという、勝利の形をしていない区切りである。学園的な成長譚として始まった話は、この時点で、離れていった相手をどう扱うかという問いに置き換わっている。

  3. 憎しみの連鎖を止める

    28〜54巻(第二部・暁編・ペイン編・五影会談編)

    2年半の修行を終えたナルトが帰還すると、尾獣を宿す人柱力を狩る組織・暁が動き出している。我愛羅が連れ去られ、自来也は雨隠れでペインに殺される。サスケは大蛇丸を倒して独立し、イタチを討つが、直後に、うちは一族の虐殺はイタチが里の命令を引き受けたものであり、弟だけを生かすための行為だったと知らされる。討つべき相手が犠牲者だったという反転が、この作品でもっとも強く出る場面である。サスケはこれを機に里そのものを敵と定める。ペイン編では木ノ葉が壊滅させられるが、ナルトは長門と言葉で向き合い、報復を選ばずに相手の考えを変えさせる。長門は住民を蘇生させて死ぬ。ここで主人公の武器が拳から対話へ移り、話は個人の因縁から、五影会談を経て世界規模の戦争へ広がっていく。

  4. 第四次忍界大戦

    55〜72巻(忍界大戦編)

    五大国と鉄の国は忍連合軍を組み、うちはマダラを名乗る仮面の男と暁に対する。敵は穢土転生で死者を戦力化し、白ゼツの分身を大量投入する。連合軍側は物量と情報戦で持ちこたえ、ナルトは自分の内側の九尾と和解して尾獣たちと共闘する。日向ネジがナルトとヒナタをかばって死に、仮面の男の正体がカカシのかつての同期・うちはオビトだと判明する。オビトは十尾の人柱力となるが、ナルトとの問答の末に寝返る。次に本物のマダラが復活し、月の眼計画を進めるが、その体は黒ゼツに乗っ取られる。黒ゼツはうちはの歴史そのものを操ってきた存在で、目的は忍の祖・大筒木カグヤの復活だった。敵は人間ですらなくなり、戦争は世界の起源をめぐる話へ変わる。そしてすべてが終わったあと、残るのはナルトとサスケの決着だけになる。

結末

結末を開く(最後まで書いてあります)

最終回は2014年11月10日発売の週刊少年ジャンプ50号に、第699話「和解の印」と第700話「うずまきナルト!!」を同時掲載する形で載った。最終話は24ページ全編カラーである。まず大戦の決着。十尾の人柱力となったうちはオビトはナルトとの問答を経て寝返り、カカシをかばって死ぬ。復活したうちはマダラは圧倒的な力を見せるが、その体は黒ゼツに乗っ取られ、忍の祖である大筒木カグヤを甦らせる器として使われる。うちはの歴史そのものが黒ゼツの仕込みだったと明かされ、最後の敵は人間ではなくなる。六道仙人の力を受けたナルトとサスケは、六道・地爆天星でカグヤと黒ゼツを新しい月の中へ封じ、マダラは死ぬ。だが戦争が終わっても話は終わらない。サスケは、五影も尾獣もすべて自分が抱え込み、外から憎まれる存在になることで忍の世界を作り直すと言い出す。ナルトはそれを認めず、二人は第一部と同じ終末の谷で戦う。第699話でナルトは右腕を、サスケは左腕を失い、動けないまま並んで倒れる。そこでサスケが負けを認めて謝り、輪廻眼で無限月読を解除する。長きにわたる戦いはここで終わる。サスケは罪を認めて里を離れ、贖罪の旅に出る。はたけカカシが六代目火影に就く。第700話は、それから十数年後の木ノ葉である。里は復興して近代的な街になっており、うずまきナルトは七代目火影として執務室にいる。ナルトは日向ヒナタと結婚し、息子のボルトと娘のヒマワリがいる。サスケは春野サクラと結婚し、娘のサラダがいる。ほかにシカマルとテマリの子シカダイ、サイといのの子いのじん、チョウジとカルイの子チョウチョウらが登場し、第七班の三人が親の世代になったところで幕が下りる。ナルトがかつて火影岩に落書きして注目を集めたのと同じことを、息子のボルトがやっている。忍の世界が消える結末ではない。里も忍も残り、次の世代がまた同じ場所から始まる。なお第699話と第700話の間、大戦から2年後を描くのが劇場版『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』(2014年12月6日公開)で、作者はこれを699.5話にあたる話だと説明している。

解説

チャクラという一枚の土台

作中の忍術は、体力と精神力を練り合わせたチャクラを、印を結んで放出する技として説明される。火・風・雷・土・水の性質変化があり、一族に受け継がれる血継限界として写輪眼や白眼のような瞳術が置かれる。もう一段上に、尾の数で格付けされた尾獣と、それを体内に封じられた人柱力がある。ナルトが九尾の人柱力であることは、彼が里で疎まれた理由であると同時に、後半で世界規模の戦争の焦点になる。この設定の面白いところは、後半でチャクラそのものの起源へ話が遡り、忍術が人間の発明ではなく大筒木カグヤに由来する外来のものだったと書き換えられる点にある。土台を最後にひっくり返す構造で、序盤の里同士の争いが、より大きな枠の中の内輪もめだったと位置づけ直される。

説得が必殺技になる

この作品の主人公が敵を制する手段は、しばしば戦闘ではなく言葉である。我愛羅、長門、オビトと、要所の敵は倒されるのではなく考えを変えて味方側へ戻ってくる。相手の生い立ちを聞き、そこに自分の孤独を重ね、報復ではない道を提示する。憎しみを受け取った者がそれを次へ渡さないことが、この作品の言う忍のあり方として繰り返し示される。ただしその方法は最後まで通らない。うちはサスケにだけは通じず、拳で決着をつけるほかなかった。作者の岸本斉史は連載終了後のインタビューで、細部を決める前から、ナルトとサスケが戦って終わることだけは最初に決めていたと語っている。対話で世界を変えた主人公が、最後の一人には殴り合いを要したという形が、この物語の骨格になっている。

悪役が犠牲者に反転する書き方

序盤の白から、大蛇丸、我愛羅、長門、イタチ、オビト、マダラに至るまで、敵役にはほぼ例外なく、そこへ至った経緯が用意されている。中でも決定的なのがうちはイタチで、一族を皆殺しにした最悪の裏切り者として提示された人物が、実は里の命令を引き受け、弟だけを生かすために憎まれ役を演じていたと明かされる。読者が抱いた嫌悪ごと、前提が裏返される。この反転はサスケの動機を敵討ちから里への復讐へ組み替え、物語の後半を丸ごと動かす。組織の判断が個人に押しつけられ、その個人が悪名だけを引き受けるという構図は他の敵にも繰り返される。最終的には、悪は個人ではなく憎しみが受け渡される仕組みの側にあり、それを断つのが忍のあり方だという主題に集約されると読まれている。

結末の受け取られ方

最終話については、事実として賛否が並んだ。争点の一つは恋愛関係の決着で、ナルトと日向ヒナタ、サスケと春野サクラという組み合わせが最終話で示されたことに対し、それまでの描写と食い違うという声が出た。岸本斉史自身、インタビューでナルトとサクラがくっつくように意図的にミスリードさせていたと述べている。もう一つは第四次忍界大戦の長さで、55巻前後から最終巻近くまで一つの戦いが続く構成を、密度が薄いと受け取る見方がある。一方で、主人公が里に認められて火影になり、次の世代へ引き継ぐという着地は、序盤から掲げられた目標をそのまま果たしたものであり、少年漫画の宣言と回収として素直だという評価もある。どちらの読みも作品外の評価であり、作中に答えが書かれているわけではない。

終わったあとに続いたもの

完結と同時に新編の短期集中連載が予告され、2015年に外伝『七代目火影と緋色の花つ月』全10話が週刊少年ジャンプに載った。サスケとサクラの娘・うちはサラダが自分の出生を疑い、父を探す話である。続編にあたる『BORUTO -ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』は2016年に週刊少年ジャンプで月1連載として始まり、2019年7月発売のVジャンプ9月号から同誌へ移籍した。作画は池本幹雄で、岸本斉史は原作・監修として関わる。つまりナルトの物語は第700話で閉じているが、木ノ葉の時間はその先へ延びている。本編の結末を読むうえでは、第700話が本編の終着点であり、続編は別の作品として立っていると押さえておくのがよい。

確認できなかったこと

調べたが裏が取れなかった点です。書けることだけを書き、ここは空欄のままにしています。

出典

作者・年・媒体といった事実はデータベースのNARUTOに。

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